minstrel12092006-11-18

季節を変えて何度も訪れる薬草園 その度に新しい樹や草を発見する 結構丹念に見ているつもりなのだけれど 見落としているのだろう 近くには 人麿の歌ゆかりの<かぎろひの丘> いまどき珍しいれんげ畑が広がって だあれもいない気配 誰かが<犬神家の一族>を連想してたっけ 
薬草園には闇色の猫が棲みつく 緑滴る薬草の森から ふっと顕れては瞬きに消え去る猫 野守のごとき立ち居だったなあ 崖の途中に佇むアーサー王伝説の樹とか 雨の匂いがする日の碇草の可憐な姿 時じくの香の木の実さえ熟れていそうな 失楽園の入り口でもある楽園のような場所