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逢へるかもしれぬ花野に来てゐたり
みなもとの一滴を聴く案山子かな
はじめから世界の歪む花梨の実
狐の剃刀これほどの露の中
りゆうぐうのつかひの話出て無月
秋虹の歩いてゆけるところまで
読みは <花野> はなの <案山子> かかし <花梨> かりん <狐の剃刀> きつねのかみそり <無月> むげつ
3句目 <花梨の実> バラ科 大山崎の山荘美術館への道すがら
想いも寄らない大きさで いい香り! けれど生では食べられず 果実酒向きです
4句目 <狐の剃刀> ヒガンバナ科 有毒ですが 百合に似た橙色の気品あるお花
5句目 <りゆうぐうのつかひ> 竜宮の使い=深海魚
真っ暗な海中をネオンのように輝きながら泳ぐ姿が健気で^^
いつか標本じゃないお姿でお目にかかりたいです 無理?<無月> 秋の季語 曇りや雨模様で 十五夜の名月が見えない状態のこと
今年は10月6日でしたねえ
6句目 <秋虹> <虹>だけだと夏の季語
虹の生まれる場所を歩いていた
こちらからは見えるのに
告げたいのに
なぜだか 声が出なかった
あの人は
気づかないで行ってしまった