minstrel12092005-04-22

週末の吉野行 役小角西行や桜の精をすべて味方につけた旅だった 上千本までさくらは満開 西行庵の奥千本は二分というところ 桜花壇の広間から眺める景色に言葉を失う 舞い上がるさくらの花弁になってしまったような儚い気分 
ところどころライトアップされた深夜のさくらは白く輝く珊瑚 オーロラ色の魚となって桜の廻りを自在に泳ぐ 海底のイリュージョン 宙の暗幕の向こう側は影すら存在しないほどの光に溢れた空間なのだろうか 星の光に包み込まれるような 突き放された宇宙のみなしごのような 
  
  百千鳥どこへ切つ先向けやうか  吟遊詩人