はねず踊りや今様の響きを遠巻きに梅林を逍遥 そう きょうは風花句会初吟行なのです 竹薮の奥に化粧の井戸 こんな暗がりだったかな 記憶の曖昧さ 小野小町は絶世の美女だったらしいが 生きながら地獄を旅する小野タカムラの縁者らしい 彼は六波羅に今も在る某寺の井戸から通っていた 井戸は異界へのタイムトンネル 
タイムトラベルできない深草少将って つくづくエライ 恋ゆえの情熱なのかもしれないけれど ひとつには性格じゃないかな とっても律儀 やや苦手なタイプ 小町は彼の愛を試したのだろうか 
ところで 小野小町はかつて十八番だった 初めて百人一首に加わるときに父が選んでくれた札 意中の取り札を私が見つけるまで親族一同息を殺して待っていた 〝ながめせしまに〟今この歌の意味を考えるとフクザツだけど  
   
待ちつづけゐて木蓮の白きこと  吟遊詩人