ミイラに惹かれる 20代前半で読んだ【エジプト史を掘る】以来 昨春WOWOWで【ハムナプトラ2】を観た直後 【大英博物館展】が神戸にやって来た 
長蛇の列と聴いていたけれど並ばずに入れる だが館内の混みようは凄まじい 一点一点の遺物に近づくことさえ困難な 一歩でも近づきたい熱情が生むラッシュ! 背の高いことを幸運に感じる数少ない瞬間である 呼吸は兎に角出来るから 
この青緑色の褪せた亜麻布の中に今も眠っている誰か 未来の甦りを信じてミイラになったの? 悠久の流れを隔てるものはただ一枚の硝子のみ 白雪姫のような函の中 東の果ての民の為に横たわったまま海を越えてきたの? 
布の綴じ目のこれは護符だろうか 胸の辺りにしっかりと括りつけられたヒエログリフ まるで封印のような まさか ね
   
     死者の書の蛇こころみに穴を出て   吟遊詩人