minstrel12092006-06-05

このあいだ読んだ山本容子の本に 作家には好きな色があるって書かれていた そう云えば彫金の前に七宝細工を齧ったとき お気に入りの色があった 水のように透明感のある色 必ずどこかに使っていた 不透明より透明 手間はかかるけれど 銀箔を張って 銀線を置いて 透明色だけで焼き付ける 炉の中ですべて燃え尽きてしまいそうな色に変容しつつ 硝子に生まれ変わる瞬間が好きだった 今は服飾の仕事だから 好きな色にはどうしても逆らえない 抗えない つい身に着けてしまいたくなる