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神戸元町を歩いていて　夜の南京町へ踏み込んだとき　〝千と千尋の神隠し〟の迷い込んだ町にそっくりで驚いた記憶がある　
以前に住んでいた町の裏山が夏の夜に火事になって　山が迫っていることもあり近くまで火の粉が牡丹雪のように降ってきた　そのあとしばらくして焼け跡を通るとブラックホールのようで痛々しかった　こんなに焼き尽くされて 　もう再生できないんじゃないか　
翌春まだ浅いころ　そこは森の中の川縁の散歩コースでもあったので　おそるおそる行ってみた　まだ黒々とした樹が残されていたけれど　〝もののけ姫〟の森に木霊がたったひとり顕れたような見事な芽吹きだった　そういうものを見ていない人には到底描けないアニメーションだと確信した