久しぶりのキッドマン 彼女の〝コールド・マウンテン〟を観る 
お気に入り〝イングリッシュ・ペイシェント〟の監督 戦争の悲惨が描かれているにもかかわらず その色彩のまぶしさ リリカルな映像美に心奪われる 運命の歯車の皮肉さに何度も絶望しそうになるけれど 語るんじゃなくて語らせるのでもなく 映像そのものがダイレクトに語りかけてくる 
ジュード・ロウ まるまる戦争モノの〝スターリングラード〟より格段にいい 黙々と恋人を想って歩いてるだけで 彼のたましいの傷口が見えるようでカッコイイ キッドマンは儚げで凛々しくて 仕草のひとつひとつが素敵すぎる 
戦争が容赦なくヒトの暗部を曝け出し すべてを失ったとき人の真価が問われる 血まみれで腐臭に充ちた死の無残 対照的に深く結ばれてゆく魂の再生 エンド・クレジット直前に顕れる映像も音楽も素晴らしい