アドルフの画集〟を観る 原題は〝Max〟ユダヤ人画商の名前 のちの独裁者アドルフを演じていたノア・テイラーが鬼気迫る感じ 顔つきがどんどん変化 ヒトラーが憑依したみたい 
けれど和むカットに救われる 公園をふたりが他愛もないことで議論しながら散歩するシーン びっしりと散り敷いた枯葉がリアル 植物園の広場のような一角では さまざまな形の籠に容れた鳥を飼っている 画商マックスは画が売れないアドルフに〝もっと魂を抉り出して画にぶつけろ〟と挑発する 画商自身も戦場で片腕を失うまでは画家だった アドルフの苦悩を解ってくれるのはマックスだけだったかもしれないのに 
ヨーロッパが〝戦場のピアニスト〟そのままに廃墟のような街になろうとする直前の物語
   
 春昼や鳥籠の扉の開いてゐる  吟遊詩人