minstrel12092005-02-23

故あって京都府南部に在住 吟行案内の原稿をまとめる 担当地域は久世郡と呼ばれたあたり 青谷梅林 水度神社 荒見神社 玉田神社 流れ橋 一口と書いて〝いもあらい〟 地名の不可思議 
お社を包む静けさ 殊に玉田神社はロケーション 境内のセッティングのさりげないセンス すべてが雅 すべてがシンプル たった一枚の神鏡を見た瞬間かつて夢中になった物語〝空色勾玉〟を連想 〝白鳥異伝〟〝薄紅天女〟へと繋がる勾玉ファンタジー 
まだ春浅い風が神鈴の紅い幡をそよがせる ただそれだけのことなのに心が騒ぐ いぬふぐりの青 野焼きの煙 田起しのあとの水たまり 蛇行する余寒の川 空には天使の梯子が架かる  
 
     鳥容れて春の夕べの木となりぬ    吟遊詩人