ひとりで観る藤田嗣治とふたりで観るレオナール・フジタ 
とにかく凄い人 人 人 入場制限しないのがフシギなくらい まるで日曜日の百貨店 ワゴンセールみたいに一枚の絵に十重二十重 吟遊詩人は肩越しに見えるからいいけれど 車椅子の人がひとりでみえていて目線が低いから気の毒だった いつもなら暇そうに坐る監視員が部屋の真ん中で立っていた! どうしてもじっくり観たい絵には 辛抱強く並んで前が空くまで待つ やはりふたりで観ると角度の異なる発見がある 
彼女とは観たい展覧会の趣味も似ているので エジプト展もいっしょ 封印されたミイラの横で〝こんな感じですか〟なんて寝そべろうとするんだけどね 見た目はエリザベート並の美女だけど さすが奇人な吟遊詩人の友人だけあって 中身は相当ユニークなのに自覚ゼロ 
で きょうの発見 猫の絵本の中に載っていた藤田嗣治のまなざしは 自画像のまなざしとは天地の差 怖いくらい対象に迫ろうとする目だった