映画でも遅刻したことないって 思わずつぶやいたけれど 思い出したことがアル 友人と〝イングリッシュ・ペイシェント〟を観たときの事件 Kホテルの真向かいにある某市役所の職員食堂が中身も景色もイイと聴きつけたふたり 開演前に早い目のランチ 
ということで時間通りに劇場の扉を開けると なんだか気配が違うぞ 包帯を巻いた小汚い男がスクリーンを陣取っている 一瞬映画館を間違えたかと 慌ててドアを閉じて時間を確認 アカデミー賞に輝いたので 急遽上演回数を殖やしたそうで 幸いにも終わりかけで助かった 映写が始まると先程までのショックなんて全て忘れ去るほど 思いっきり切なくて 大好きな砂漠がこれでもかと出てくる 映写が終わってから 友人とふたり顔を見合わせるなり言葉もなく号泣 滂沱のナミダ 吟遊詩人の中で永遠のベストシネマとなる